2011年9月26日月曜日

初めてのハセ組み


 猫の額ほどの田んぼながら、今年は初めて、種まきから自分のやりたいやり方での米作りに挑戦している。もちろん、無化学肥料・無化学農薬で。
 稲の品種は3種類。ひとつは、古代米の一種の赤い餅米。種子はとあるNPOから購入したのだが、結構いい値段だった。これはほとんど放置にも関わらずずんずんと生育し、ある程度の収穫が期待できそうだ。そして、無肥料栽培で採種されたササニシキ。やっぱり、ササニシキは大好きな米だ。が、今年の栽培のほうは成功かというと、まあ、失敗に近い。田植え時期が遅過ぎたか、水管理が悪かったか。残りは父親が育苗して余った苗をもらい受けたヒトメボレ。ヒトメボレとササニシキは間もなく稲刈りどきだ。


 当初から自然乾燥にしたかったので、この辺りの伝統に従ってハセ掛けをしようと思う。「ハセ(稲架)」とは、刈り取った稲束を乾燥させるための物干しのこと。



しかし、ちょっと困った。ハセの組み方ももちろんやったことがないし、最近は実家付近の田んぼでも、まず、ハセ掛けを見かけなくなってしまったので、真似することもできない。でも、まあ、実家でも私が中学に上がるころまではハセ掛けをやっていたので、私に残るわずかな記憶をたどりつつやってみるしかない。

と、いうわけで、何となくこうだったかなーなどと作業をしていたら、しばらく前に他界したじいさんの声が聞こえてきた。
「そんなんでわがんね。」
"わがんね"は「わからない」がなまったものと思うが、標準語で言えば「違う」とか「都合悪い」という意味合いになる。
どうやら私はやり方を間違えていたらしい。
子供の頃はたいてい、私は農作業を手伝いもせずに田んぼでイナゴ穫りなどして遊んでいた。だから、いま、この通り、じいさんたちの知恵が受け継がれていない。

父は外へ働きに出ていたので、ハセ組みはほとんどじいさん一人でやっていたように思う。その光景がフワーッと蘇ってきた。
じいさんのやり方はこうだ。まず、田んぼに立てた杭の上端に縄をしばって1.5mほどの長さをたらす。次に、最上段の竹からその紐で杭に縛りつけていく。こうすることで、稲束を掛けられた竹が下にずれ落ちるのを予防できるし、かつ、縄の使用量も節約できるのだ。私は竹と杭の接合部一か所毎に縄をカットして結びつけていたが、それでは、強固にくくりつけたつもりでも重力方向にずれ落ちる不安は残るし、縄も余計に必要になってしまう。

生きているうちに、もっともっと、いろいろなことを教えてもらうべきだった。勝負事が好きなじいさん。将棋が強かった…。

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